1.肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、我慢強い働き者ですので、症状が出たときはかなり病状が進行していることが少なくありません。その為、定期健診で肝臓の状態を確かめることが必要になります。
2.肝臓の働きは以下の3つになります。
①代謝:糖質、蛋白質、脂肪等の栄養素をエネルギーなどに分解し貯蔵する。
②解毒:薬剤やアルコール等の有毒物を無害な物質に作り変える。
③排泄:不要になったものを原料に胆汁を作り排泄する。
3.肝臓病の症状
①肝臓は沈黙の臓器:肝臓は予備力や再生力が大きいのでなかなか症状が出ないので、そう云われる由縁です。
②倦怠感・食欲不振が続くようなら肝機能検査。
③黄疸は白眼(眼球結膜)の部分でみつける。
④手掌紅班・クモ状血管腫。
③痒み・むくみも要注意。
4.肝臓病の検査
症状がほとんど出ない場合もあるので、定期的な検査が大切となります。
①血液検査:GOT..GPT.γGTP..ALP.アルブミン.ビリルビン.HBV.HCV(ウィルスマーカー)。
②超音波検査:主に脂肪肝、肝のう胞、肝腫瘍等の診断に役立ちますが肝炎・肝硬変の診断の参考にもなります。
③CT・MRI・肝シンチグラフィ・血管造影。
④肝生検:慢性肝炎・肝硬変等の診断に用いる。肝細胞の繊維化の程度をみる。
5.肝臓病の主な原因
ウィルス・アルコール・薬の3つです。
6.肝臓病の治療法、慢性肝炎の場合
①肝庇護薬:強力ミノファーゲン(静脈注射)、ウルソ・グリチロン・小柴胡湯など(内服薬)。
②インターフェロン製剤(ウィルス性肝炎の場合)。
7.主な肝臓病について
①脂肪肝:
肝細胞の中に中性脂肪を主とした脂肪が肝臓の30%以上を占める状態を云います。自覚症状はほとんどなく、原因として多いのは飲酒・肥満・糖尿病などです。即ち、脂肪肝は生活習慣病の危険因子となるというわけです。
②肝炎:
肝炎とは肝臓に炎症が生じ肝細胞が破壊されていく病気です。ウィルスで引き起こされる肝炎は急性と慢性に分けられそれぞれ原因となるウィルスや症状の程度・経過が異なります。日本ではA型・B型・C型が主です。
③劇症肝炎:
急性肝炎のうち、急激な肝細胞の破壊に伴い、肝臓の機能維持が困難となり、肝性脳症・出血傾向・黄疸・腹水など肝不全の状態が出現した場合、劇症肝炎と云います。
④自己免疫性肝炎:
ウィルス感染等の原因がないのに、自己の肝細胞を自分の白血球・リンパ球が壊すタイプの慢性肝炎のことです。症状は慢性肝炎一般に云えるように、まずほとんどありません。
⑤原発性胆汁性肝硬変:
自己免疫性疾患の1つで、肝臓内の胆管に炎症が起こって破壊され、胆汁中に含まれる胆汁酸によって肝細胞が障害される病気です。40才以上の女性に多く、この病気の患者の80~90%を占めます。症状がなく血液検査などで偶然発見される無症候性と、症状の出ている(かゆみ・黄疸・倦怠感など)症候性の2タイプがあります。
⑥アルコール性肝障害:
大量の飲酒(日本酒にして3合以上)によって起こる肝障害です。病型として、アルコール性脂肪 肝、アルコール性肝線維症、更にそれが進展した肝硬変、又、肝臓に炎症の起こるアルコール性肝炎などがあります。
⑦薬剤性肝障害:
薬剤の服用(主に風邪薬・鎮痛剤・抗生物質など)がきっかけで起こるアレルギー性肝障害を云います。
⑧肝硬変:
肝臓の炎症が繰り返されるうちに繊維化が進み、肝臓全体が萎縮し、本来の働きが十分に出来なくなる状態です。通常、慢性肝炎(肝炎ウィルスや多飲酒)から徐々に進行していくので、初期ははっきりとした症状はでませんが、症状が出てからでは治療が難しいので、適切な治療を受けて病気を進行させないことが大切です。
⑨肝臓癌:
日本人の肝臓癌のほとんどは急性や慢性肝炎、肝硬変を経て肝臓癌に至るという経過を辿っています。肝臓の炎症が慢性的になると細胞の遺伝子に以上が起こり30~35年かけて癌細胞になるといわれています。
8.肝臓を守る食事
①一日3食 朝食は必ず摂る。
②良質の蛋白質を摂る。
③ビタミン・ミネラルを十分に摂る。
④脂肪は控えめ質を考えて!
⑤炭水化物を適度にとりいれる。
⑥塩分を控える。
⑦禁酒・節酒。
肝臓は文字通り「肝心かなめ」の臓器です。健康に暮らすためには、肝臓を大切にし、定期的に健康診断をうけ、異常を感じたらすぐ医師の診察を受けることが必要となります!!
Ⅰ.どんな病気?
健康な肝臓には、3%を少し超える程度の脂肪(中性脂肪・コレステロール・リン脂質など)が含まれています。しかし10%を超えると脂肪滴というものが現われるようになり、これが肝細胞の3分の1以上に現われるようになった状態を脂肪肝といいます。脂肪肝は、ほとんど自覚症状がありませんが、肝炎が合併しやすいという特徴もあります。
Ⅱ.どうしてなるの?
脂肪肝の原因は、肥満とアルコールの飲みすぎです。脂肪肝で肝臓にたまった脂肪のほとんどは、エネルギーの過剰摂取や運動不足が原因でたまった中性脂肪です。このため、肥満度が20%以上の場合、死亡肝の人が増加します 。また、アルコールの飲みすぎが原因で肝臓に中世脂肪が溜まったアルコール性脂肪肝の人は、肝臓の繊維化が進むため肝硬変に進行しやすくなります。脂肪肝のある人は、動脈硬化や高血圧になりやすく、肝硬変や肝炎以外にも心臓病や脳卒中のリスクも高い場合が多いので、健康的なライフスタイルを心がけましょう。
Ⅲ.生活習慣改善アドバイス
肥満を解消したり、禁酒を実行したり、血糖値を正常に戻すなど原因を取り除くことで脂肪肝はほとんど解消します。
脂肪肝の予防ポイント
①肥満にならないよう食事、運動で体重をコントロールする。
②アルコールを飲み過ぎないようにする。
③運動不足にならないようにこまめに体を動かす。
④食べ過ぎないようにする。
Ⅳ.早期発見が鍵です!
年に一回は、生活習慣病予防健診で肝臓のけんさを受けて脂肪肝になっていないかどうかチェックしましょう。血液検査の他、超音波検査やCT検査など画像診断をすると脂肪肝がはっきりわかります。
1.機能性消化管障害とは、どのような病態か?
胃もたれ、胃の痛み、腹痛など、消化器症状がありながらも、内視鏡や透視の検査で異常がなく、血液検査でも症状の原因となりそうな異常が見つからないことは、消化器の臨床でしばしば遭遇することである。このようなとき、消化器不定愁訴と呼んだり、上腹部の症状であれば「胃炎」、下腹部の症状であれば「腸炎」と呼んだりすることもあった。しかし、不定愁訴というあいまいな表現、炎症でもないのに炎症があるかのような呼び方は、このような病態を表すのに適した表現ではないことも事実である。このような病態に対して、近年、「機能性消化管障害」という呼び方がされるようになってきた。即ち、消化管に由来すると考えられる症状が長期にわたって慢性的にあり、その原因となる病態が一般的な検査では確認できないものを指します。
2.特に胃・十二指腸に由来するような症状を呈するものが「機能性胃腸症」であり、腸の症状を呈する代表的なものが「過敏性腸症候群」である。
3.慢性的な上部消化器症状があるものの、器質的病変が認められない場合、ピロリ菌感染など胃粘膜に炎症がある「組織病理学的慢性胃炎」と区別する必要がある。現在、このような病態を「機能性胃腸症」と呼んでいます。
4.機能性胃腸症は、ストレスなどの心理的要因との関係が否定できない疾患のため、ストレス社会の上に高齢化が進む日本では、今後も患者数は増加していくと考えられる。また、頻度の高い症状は胃もたれ感である。(食べた物を消化しない、いつまでも食べ物が胃の中に残っている等の訴え)。
ピロリ菌にご用心
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は人間の胃の粘膜に好んで住みつく細菌です。胃のなかには強い酸性の胃酸があるため、細菌は通常住めませんが、ピロリ菌は、アンモニアを出して胃酸から身を守って住みついています。そのピロリ菌が出すアンモニアや毒素が胃の粘膜に悪影響を与え、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こします。日本人はピロリ菌に感染している人が多く、特に、50歳代以上の70~80%が感染していると推測されています。
また、ピロリ菌に感染している人では胃がんの発生率が高いという報告もあります。病気の原因がピロリ菌であると分かった場合は、それを取り除くことが先決であり、効果的です。そこで、3種類の薬を1週間飲む「ヘリコバクター・ピロリ除菌療法」が開発され、胃潰瘍・十二指腸潰瘍で保険適用になりました。ただし、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因は食事・薬剤・ストレスなど、さまざまですから、ピロリ菌の検査と除菌療法については、まず、かかりつけ医にご相談ください。
胃癌早期発見のためのスクリーニング
1.胃粘膜の萎縮が進行すると胃癌の発生リスクが高くなることから、萎縮のマーカーとして血清ペプシノーゲン法により従来のX線検査による胃癌検診よりも約3倍近く癌発見率を向上させることが報告されています。
2.また、胃癌の原因としてヘリコバクター、ピロリ(HP)感染の重要性が認識され、HP感染検査(血清抗体)を血清ペプシノーゲン検査と併用することによって胃癌高危険群が同定できることが示されています。
大腸癌早期発見のためのスクリーニング
1.大腸癌は他の欧米先進国と同様に我が国でも増加を続けており悪性腫瘍の部位別には肺癌、胃癌についで第3位の死因となっている。大腸癌を早期に発見することは重要な課題であります。
2.便潜血検査は大腸癌を早期に発見し、治療を行うためのスクリーニング検査として広く普及しています。症状を訴えて診断された大腸癌と比較すると、検診便潜血陽性で発見される大腸癌の特徴として、早期癌が多い、腫瘍径が20mm以下のものが多い、内視鏡治療の適応となるものが多い、これらの特徴は高齢者でも若年者と同様である、等があげられます。
3.大腸癌死亡抑制効果も証明されており、便潜血検査は大腸癌スクリーニング検査として有効な方法と言えます。
4.しかし、最近、肥満・メタボリックシンドロームと大腸癌との関連が明らかにされてきており、単なる食事習慣の改善のみならず、肥満対策、運動習慣など、生活習慣病対策が大腸癌の予防に重要であることが認識されています。
便秘の主な原因は。。。。
大半は、朝食を抜く、栄養の偏り、トイレを我慢する習慣等の生活習慣が原因で起こります。
便秘を改善する食事法は。。。。
便秘の人がほとんどいない?アフリカの人の場合、一日の食物繊維摂取量が約150gであるのに対し、日本人は約30g。まず食物繊維をたっぷり摂るよう心がけましょう。野菜は生の状態では水分が多いため、ボウルいっぱい食べても食物繊維はごくわずか。おひたしや煮物などに調理すると、かさは生のときの10 分の1くらいになります。又、果物に含まれる果糖と有機リン(クエン酸、リンゴ酸など)は、大腸を刺激して便意を起こさせます。ビタミンBι、E、パントテン酸も便秘解消に効果があります。
下痢の原因は。。。。
Ⅰ.急性下痢⇒暴飲暴食、冷たい飲み物や消化しにくい物を食べた時、寝冷えなどが原因。食中毒やウィルス性腸炎、コレラ、赤痢、風邪、ストレスなどが原因で起こるケースも。
Ⅱ.慢性下痢⇒過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎、糖尿病、吸収不良症候群、大腸癌、胃・肝臓・胆道・膵臓などの病気が原因。
大腸癌による下痢の症状は。。。。
下痢や便秘、腹痛、便が細くなるなどがあげられます。特に注意が必要なのが、水様便や泥状便で色が赤いときで、便が癌の表面をこすることによって、下血していることが疑われます。出血によって貧血や疲労感、動悸などが起こるケースもあります。
急性の下痢のホームケアは。。。。
横になって安静にし、症状が治まるまでは絶食して原因を取り除くことが基本です。但し、脱水状態が起こり易いので、喉が渇いたらお湯や砂糖水などを補給することが大切です。症状が軽くなったら、半流動食から徐々に日常食へと進めます。りんごのすりおろしや人参スープは下痢を緩和させる効果があります。1回の食事量が多いと胃腸に負担がかかりますから、1日5~6回に分け、熱いものや冷たいもの、油っぽいものは避けましょう。
慢性の下痢のホームケアは。。。。
栄養障害を起こしがちで体力が低下するので、消化がよく栄養価の高い食事を摂って下さい。おかゆばかりを食べていると消化吸収力が低下して下痢を長引かせます。避けた方がよい食品は、脂肪の多い肉や魚、食物繊維の多い野菜、腸内で発酵しやすい食品(加工していない豆類など)。蛋白質の摂取も必要ですから、脂肪の少ない肉や魚をやわらかく煮たり蒸したりして食べるとよいでしょう。油脂類を使うときは消化吸収のよいバターがおすすめです。
食中毒に注意しよう!
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、死滅させる」です。
もし、腹痛、下痢、気持ちが悪くなったら、食中毒を疑って「かかりつけ医」に相談しよう。
1.調理や食事の前には、しっかり手をあらいましょう。
2.冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
3.加熱して調理する食品は、十分に加熱しましょう。