Ⅰ.生活や食事の欧米化で、近年、肺塞栓症が増えています。
Ⅱ.血液は肺できれいにされて、全身をめぐり、大静脈、心臓を経て肺に戻ります。そのとき、大静脈(主に下半身)で血液の流れが悪くなって血のかたまり(血栓)ができ、それが肺に達すると「肺塞栓症」を引き起こします。肺動脈に詰まり、呼吸困難や胸痛、咳や血痰を引き起こし、重症の場合は命にかかわることもある病気です。旅行者血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)もそのひとつです。
Ⅲ.主な原因として、体を長時間動かさないことがあげられており、また、手術後に発症が多いことも指摘されています。
Ⅳ.肺塞栓症になりやすい人は:高齢者・肥満の人・妊産婦・ピル内服・血液が固まり易くなっている人・心疾患や悪性腫瘍や脳卒中などの既往歴がある人・喫煙者・骨折をした人など。
Ⅴ.長距離旅行の際の予防法としては、弾性ストッキングをはいたり、足首の関節を動かして、足の血流をよくすることが勧められます。水分もまめにとってください。
気になる症状があったら、早めにかかりつけ医に相談しましょう!
| 風邪(ウイルス性) | インフルエンザ・細菌感染 | |
| 発熱: | 38℃以下 | 39℃以上 |
| 鼻汁: | 透明感 | 黄色・緑色(混濁) |
| 喉痛: | 軽い | 激痛・腫れ |
| 咳: | 軽い | 激しい |
| 全身症状 | 軽い | 著明 |
| (頭痛・関節痛・倦怠感・食欲不振) | ||
2.鳥インフルエンザとの関係
鳥インフルエンザは、自然界で鳥が感染するインフルエンザです。通常はヒトに感染することはありませんが、近年、東南アジアを中心にヒトが感染する例が報告されています。最初は1997年香港で18名がA型のH5N1に感染した鶏より感染し、内6名が死亡しています。このA型H5N1の運び屋として水鳥や渡り鳥(カモなど)が確認されています。特にこのウィルスは鶏が大量死することが、注目されています。ヒトからヒトへの感染はまだ確認されていないので、新型インフルエンザとはいえませんが、鳥インフルエンザが新型インフルエンザになる可能性はあります。
3.予防と治療
予防法は、帰宅後うがいや手洗いをする、マスクをつける、人ごみを避けるなど、通常のインフルエンザと同じです。
しかし、この場合ヒトは全く抗体を持っていませんのでワクチンを接種する必要があります。現在のワクチンは新型インフルエンザには効きませんが、新型インフルエンザに効くワクチンを早期に実用化するために、世界中で研究が行われています。新型インフルエンザの治療には、抗インフルエンザ薬が有効であると考えられています。このため、国や一部の自治体では、新型ウィルスの出現に備えて、抗インフルエンザ薬の備蓄を行っています。
4.インフルエンザとSARS
インフルエンザはインフルエンザウィルス、SARSはSARSコロナウィルスによる感染症です。最初の症状は、突然の高熱、筋肉痛、全身のだるさなど非常によく似ているため、症状だけでは区別は難しいといわれています。インフルエンザは普通1週間ほどで治りますが、SARSは発熱が続き、熱が出始めてから 5日から1週目頃から咳や呼吸困難などの呼吸器症状が強くなり、約1割から2割の人では人工呼吸器が必要なほど重症化するといわれています。しかし、インフルエンザにかかった人でも肺炎を起こす人はいます。インフルエンザとSARSを見分けるためには、医 療機関において色々な検査を行いその結果などから総合的に判断することになります。
Ⅱ.どのように感染するの?
①通常のかぜのウィルスは特に手から手による接触感染の頻度が高いと云われています。それに対して、インフルエンザウィルスは患者の咳やくしゃみ、痰などで空気中に拡散されたウィルスを吸い込むことにより感染する「飛沫感染」が中心です。
②インフルエンザウィルスの増殖は気道の表面だけで起こり、全身症状(高熱や関節痛など)はインフルエンザウィルス感染による炎症でこのウィルスを排除するための人の免疫反応によるものと考えられています。
Ⅲ.インフルエンザと風邪の違い
①症状の違い:インフルエンザと風邪とは、原因となるウィルスの種類が異なり、通常の「風邪」は喉や鼻に症状が現われるのに対し、インフルエンザは急に 38~40度の高熱がでるのが特徴です。さらに、倦怠感・筋肉痛・関節痛などの全身症状も強く、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。
②大流行の恐れ:インフルエンザは特然、強烈な流行が発生することが特徴です。「スペインかぜ」「香港かぜ」など世界的に大流行し多くの死者を出したインフルエンザもあります。健康な人もインフルエンザにかかると本人が苦しい思いをするだけでなく、ウィルスをまき散らして周囲の人に感染する原因にもなります。
Ⅳ.特に注意が必要な人は?
①日本におけるインフルエンザの流行・拡大は、小学校で始まると考えられています。小学生は罹患率が高く、それが家庭で成人や高齢者に感染していきます。高齢者は罹患率は低いのですが、逆に死亡率は高く、インフルエンザは高齢者にとって「老人の最期の生命のともしびを消す疾患」とも云われています。
②ハイリスクの方:一般的に体の免疫力(ウィルスに対する抵抗力)が落ちている方が該当します。具体的には、65才以上の高齢者の方、持病を持っている方(慢性呼吸器疾患・慢性循環器疾患・糖尿病・腎不全・免疫不全などの方)、妊娠中の方、乳幼児などです。これらの方は、インフルエンザに感染するとインフルエンザ自体が重症化したり、肺炎などの合併症を併発する場合があります。
③ハイリスクの方と頻繁に会う方:ハイリスクの方に感染させない様にインフルエンザの感染に対する注意が必要です。
④その他:冬季に重要なお仕事やイベントのある方。例えば、受験生・重要な仕事をお持ちの方・冬季に休むことの出来ない重要なイベントがある方なども、インフルエンザには十分注意して下さい。
Ⅴ.インフルエンザを防ぐには?
予防接種を受ける・栄養と休養を十分にとる・人ごみを避ける・適度な温度、湿度を保つ・マスクを着用する・手洗いとうがいをする、と云ったことをお勧めします。
ワクチン接種は早めに!:13才以上では過去にインフルエンザに感染して免疫が少しずつできてくると考えられるため、接種回数は1回でもよいとされています。13才未満の場合は2回が原則で、接種の間隔は1~4週とされていますが、後半の方が、より高い免疫ができます。ワクチンの接種を受けてから体内の免疫ができてくるには2~4週かかるので、インフルエンザの流行の前に(少なくとも年内に)接種をすませておいたほうがよいでしょう。
Ⅵ.発症したら48時間以内に診断を。
①インフルエンザの症状がでたら、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。発症から48時間以内であれば、インフルエンザウィルスの増殖を抑える薬が処方されるようになりました。早ければ早いほど効果的です。また、最近インフルエンザにかかっているかどうかを簡単に調べられる検査キットがあります。風邪もしくはインフルエンザにかかったと思ったら、早めに受診することで、確実にいずれかの診断が得られます。
②早期診断、早期治療の効果は大きい!
普通健康な成人は、軽症のうちに会社や学校を休むわけにはいかないという気持ちと重なって、高熱で苦しくなるまで病院に行かないという考えが一般的です。ウィルスが喉や鼻の粘膜に広がり高熱が出てしまうと、根本的な治療は間に合わなくなり、かえって長期間、寝込むことになってしまうおそれがあります。
③安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。水分を十分に補給しましょう。お茶・ジュース・スープなど飲みたいものをとりましょう。
Ⅶ.インフルエンザが引き起こす合併症
①インフルエンザ脳症:最近、日本では小児のインフルエンザ脳症が深刻な問題になっています。流行によって異なりますが 、幼児を中心として、毎年約 100~500人の発症、その10~30%が死亡、そしてほぼ同数の後遺症患者が出ていると推測されています。原因は不明ですが、インフルエンザウィルスの感染が発症の引き金となり、突然の高熱に始まって、1~2日以内に昏睡などのさまざまな程度の意識障害を起こし、短期間の内に全身状態が悪化し、死に至ることがあります。
②最も多い合併症としては、細菌の二次感染による肺炎、気管支炎があります。また、乳幼児では中耳炎や熱性けいれんを起こす場合があります。その他の合併症としては、ウィルスそのものによる肺炎や気管支炎、まれに心筋炎などがあります。
インフルエンザに漢方薬「麻黄湯」が注目!
1.抗インフルエンザウィルス剤(タミフル)服用で、学童の異常行動副作用が大きな社会問題となり、ついには厚労省より10歳代の服用禁止が決定した所です。
2.実は一連の報告・警告は医療機関には数年前より忠告を促されており、当院ではその当時よりタミフルはどうしてもという家族の希望のある方以外は全例漢方薬「麻黄湯」を使用してきており、タミフルにも勝るとも劣らぬ極めて良い効果をたくさん経験しております。
3・漢方薬「麻黄湯」は、感冒(初期で、体力が十分あり、悪寒、発熱、頭痛、関節痛のあるとき)、インフルエンザ初期、に適応があります。
4・但し、次のような方は服用にあたり注意もしくは不向きです。体が著しく弱っている人、発汗の多い人、胃腸虚弱、循環器系の病気又は既往歴のある人(高血圧・心臓病・脳卒中)、腎臓病、排尿障害、甲状腺機能亢進症のある人など。
5・タミフル以外にも、リレンザ(吸入投与)、アマンタジンなどがありますが、漢方薬「麻黄湯」は最近注目を浴びており、更に使用される傾向にあると思われます。
| Ⅰ. | 最近「咳がなかなか止まりません」と言って来院される患者さんが増えています。風邪をひき諸症状があるも、治療し回復したのだが、咳だけがとれないといった患者さんもいる。 |
| Ⅱ. | こういった咳を主訴として来院された場合、先行した上気道感染の有無、痰の性状(色・粘調性)、喘鳴(ヒューヒュー・ゼイゼイ)の有無、副鼻腔症状の有無、喫煙歴等を伺い、必要ならば胸部X線写真を撮る。 |
| Ⅲ. | 胸部X線写真で異常所見が見つかれば、肺癌・肺結核・間質性肺炎等の疾患を疑い精査に進む。 |
| Ⅳ. | 胸部X線写真で異常所見がない場合には次のような疾患が疑われる。 |
| 1.感染後咳そう(いわゆる風邪が治りきっていない) 2.副鼻腔気管支症候群(副鼻腔症状あり・黄~緑色の痰) 3.服用薬による咳(ある種の降圧薬) 4.逆流性食道炎 5.不整脈 6.気管支喘息 7.慢性閉塞性肺疾患(労作時の息切れ・痰・喫煙歴あり) 8.アレルギー性咳そう(長引く咳の6割がこれ) イ.咳喘息 ロ.アトピー咳そう(咳喘息と異なる点は、アトピー素因がある人が多い・放置していても喘息には移行しない) このように、咳の裏に潜んでいる疾患は実に多様です。鎮咳薬を服用しても2週間以上咳が続いているような時は上記の疾病も念頭に入れておきましょう。 |
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