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心の治療

心の病気

○こころやからだにこんな不調は続いていませんか?

☆こころの不調

(憂うつ感や興味・関心の低下⇒自責感・無価値観)
(気分の落ち込み、無気力・思考力の低下、イライラ、おっくう、 不安やあせり、集中力の低下)

☆からだの不調
(不眠、疲れ易くだるい、頭痛、めまい、喉の違和感、息切れ、過呼吸症候群、肩こり、動悸、胸痛、胸部圧迫感、食欲不振、過敏性腸症候群【便秘・下痢・腹痛】、腰痛・関節痛、筋肉疲労、月経痛、冷え・のぼせ、しびれ感)

脳内にあるアミン(神経伝達物質)は、こころやからだの働きを活性化させ意欲や気力を正常にコントロールしています。ストレス等によってこのアミンがうまく働かなくなると、こころやからだに不調な症状が現われるようになります。自然に改善する場合は特に問題ないのですが、この不調が長く続いたり、くり返し起こったりする場合は、放っておいても自然に治ることは少ないため、医師に相談してみることが必要です。場合によっては、単なる不調ではなく、その背景にはうつ病などのこころの病気が隠れているかも知れないのです。

○うつ病とは?

うつ病は、憂うつ感や無気力な状態が長期間回復しないため、日常生活に支障をきたすようになってしまう病気です。こころの不調やからだの不調を示す症状がみられ、誰でもなる可能性があり決して珍しい病気ではありません。我が国では15人に1人は一生に1度はかかると考えられ、又、女性は男性の2倍もなり易いと云われています。気分の落ち込みの程度はいつも同じではなく、多くの場合朝に重く、夕方になると軽くなる傾向が特徴の一つです。不眠もよくあらわれる症状であり、うつ病の場合は夜に眠れないこともありますが、早朝から目が覚めてしまうことも多いようです。このように、単なる気分の落ち込みとうつ病ではいくつかの違いがあります。

○うつ病の発症には日常生活のストレスとも関係があると云われています。環境変化(学校や職場の人間関係、結婚、出産など),からだへのダメージ(病気やけが),何かを失うことへの不安・むなしさ(子供の独立、失業、離婚、退職、閉経など),別れの悲しみ(家族や友人の死別、失恋など)。ストレスをためない生活を心掛けましょう。

○うつ病の治療
ポイントは「支持的精神療法」を受け、「環境調整」を行うことです。治療の基本は「休養」と「くすりの服用」です。まず十分な休養をとり疲れたこころとからだを十分に休め、こころの負担となっている環境の調整を図ることです。それと併行して、くすりによる治療で脳内神経伝達物質のバランスの乱れを調整します。うつ病は、治療を始めたからといってすぐによくなるわけではありません。よくなったり悪くなったりをくり返しながら徐々に改善していきますので、あせらず根気よく治療を進めることが大切です。

うつ病は早期に適切な治療を受ければ、必ずよくなる病気です。症状に心あたりのある方は、少しでも早く治療を始めることです。うつ病を長引かせないためにも、きちんと医師の指示に従って治療を続けるように!(1)少しでも早く医師に相談する。(2)回復をあせらない。(3)自分の判断で治療をやめない。

○周囲の人の対応のポイント
1.頑張ろうとしても頑張れない「うつ病者」にとって、頑張って等という励ましの言葉は逆効果です。
2.生活上の小さなことでも、考えや決断を求めることはなるべく避けましょう。
3.外出や運動などは無理にすすめず、ゆっくり休ませましょう。
4.重要な決定などは先延ばしにさせましょう。
5.医師に情報を正確に伝えるために、出来るだけ受診に同席を。
6.きちんとくすりをのむように気をつけてあげましょう。

○うつ病と似ているこころの病気
1.心身症(自律神経失調症、過換気症候群など)
2.不安障害(パニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害、社会不安障害、全般性不安障害など)

○パニック障害とは?
特別な理由もないのに、ある日突然息が苦しくなって、胸がドキドキ、冷や汗が止まらない等、理由のわからないパニック発作で発症する病気です。通常30分以内で治まります。この発作は1回で終わることはなく、何度も繰り返されます。そのうち「またあのパニック発作が襲ってくるのではないか?」という強い不安が患者さんを苦 しめるようになります。このパニック発作が起こることを強く不安に思 う症状を予期不安といい、パニック発作と並んでパニック障害の特徴的症状です。予期不安症状(このまま死ぬのではないかと思う恐怖感、身震いや手足の振るえ、激しいめまい、吐き気など)が強くなると、発作を恐れて外出出来ず家に引きこもりがちになる。
発作が起こった時にすぐに助けを求められないような場所やその場からすぐに逃げ出せない場所を避けるようになり、このような症状を「広場恐怖」といいます。広場を怖がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が特定の場所や状況を避けるようになることです。たとえば、電車やバス、人ごみ、地下道、屋外など。

○強迫性障害とは?
不快な考えやイメージが頭に何度も浮かんできて、止めようと思っても自分の意思ではどうにも出来ずに苦しむ病気です。

1.手を何度も洗わずにはいられない。
2.カギをかけたか、ガスの栓をしめたか、何度も同じことを確認しなくては気がすまない、など。「強迫観念⇒不潔恐怖など」と「強迫行為⇒確認強迫や洗浄強迫など」の二つを特徴とする病気です。

○外傷後ストレス障害(PTSD)とは?
生命に関わるような出来事を体験した後、ふとしたきっかけでその光景を何度もくり返し思い出す。悪夢にうなされる、びくびくと不安・緊張の強い状態が続くなど、様々な症状がみられる病気です。
死に至りかねない犯罪や事故、女性の性暴力被害、幼い頃の虐待、他人の事故や被害の目撃、親近者の思いがけない死去など。

○社会不安障害とは?
その人が毎日の生活の中で不安や恐怖を感じている状況になると、こころやからだにいろいろな症状があらわれる病気です。(1対1で人と接するときに必要以上に緊張してしまう、人前で何かをすることへの強い不安の出現により字を書く・話すといった動作が極度の緊張・不安感から手が震えるなどのため、やがて は人前でこのような行為を避けるようになってしまう。)
恐怖感や不安を感じる状況を避ける回避行動が原因となり通学や通勤が出来なくなり、日常生活に大きな支障をきたすようになります。ひきこもり等。

○全般性不安障害とは?
特別な理由のない不安が長期間続きこのような不安にこころやからだの症状が伴う病気です。生活上のストレスが関与している場合が多いと云われていますが、不安や心配の原因がある特定のことに限定されるわけではなく、学校・仕事・家庭生活・健康などあらゆることが心配や不安となります。これは持続的で程度も過剰であり本人が思うようにコントロールできず、些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、集中力に欠け、不眠や日常生活にも支障をきたすようになってきます。

過換気症候群

・過換気症候群
心身症の一つで、発作的に息苦しさを訴えるこの病状が増えています。これは、緊張や不安、疲労などを引き金として発作的に胸がしめつけられ、息苦しくなります。その呼吸困難は、「このまま死んでしまいそう」と思わせるほどですが、激しく呼吸したため血中二酸化炭素濃度が一時的に低下した結果で、生命に響く心配はありません。症状が派手なので救急搬送されることも多いのですが、医療機関に到着するころにはだいぶ落ち着くのもこの病気の特徴です。私たちは呼吸することで肺に酸素を取り入れ、二酸化炭素とガス交換し、これを心臓に送って全身のすみずみに酸素を送っていますが、過換気とは必要以上に呼吸が深く、かつ速くなることです。過換気の状態が続いて血中の二酸化炭素濃度が低下すると呼吸性アルカローシス(血液がアルカリ性に傾く)となり、血中カルシウムイオン濃度も低下し、呼吸器系や循環器系、神経系に影響が及びます。アルカローシスの症状として手足のしびれやめまい感、意識混濁なども現われます。患者の男女比は一対二とされるが、とりわけ十代から三十代の女性患者が多い。かかりやすい人は、心理ストレスに弱く、脳の呼吸を司る機能が通常よりも不安定とのこと。一度、過換気発作に見舞われた人の恐怖は消えにくく、また発作が起こるのではと「予期不安」を持ち易く、これが発作を呼作を呼ぶことにもなり易い。なお、アルコールやカフェイン、汚い空気なども誘因になります。治療は不安やストレスの原因を見つけ、症状の現われた理由を理解しながらその原因と今後どう付き合っていくか考えさせ、コントロールする力を身につけてもらうのが目標です。

不眠症

不眠症(睡眠障害)について
○不眠症では、たんに睡眠時間の長さだけではなく、朝目覚めた時の不満感、不快感、一日を通しての日常生活への支障の度合い等が問題になります。即ち「睡眠時間の短さ」と「眠りに対する満足感」の二つの要素が考えられます。ここでは病気的原因のない不眠症について話をすすめてみましょう。
 
○不眠症(睡眠障害)の3つのタイプ
1.入眠障害 寝つきの悪いタイプです。このタイプの人は一旦寝付いてしまえば、あとはよく眠ることができて、目覚めも良好です。
2.熟睡障害 睡眠の途中で何度も目覚め、夢が多く眠った気がしないタイプです。(中途覚醒)
3.早朝覚醒 寝つきが比較的よく、さっと眠れますが、夜が明けないうちに目が覚めてしまい、そのあとねむれないで困るタイプです。

○より良い睡眠のための対処法
 1.日常生活で工夫を⇒眠れないからといって、すぐ薬局や病院へ行かないで日常生活で工夫してみましょう。寝室や寝具を工夫して眠り易い環境をつくる。日中の精神的緊張や興奮を鎮めるため、適当な食事や適量の飲酒をする。音楽鑑賞、軽い読書、就寝前の入浴もよし、濃いお茶やコーヒーは控える。時には眠るまいと努力するくらいの開き直りが効を奏することもあります。
 
2.これらの工夫だけでは睡眠障害が改善しない場合は⇒積極的に医師に相談しましょう。原因によって治療法は画一的ではないと思いますが、睡眠薬による治療が一般的です。睡眠薬は医師の指示に従って、服用量、服薬時間、服用上の注意事項を厳格に守ってください。

五月病・六月病

4月からの新たな環境の変化に心がついて行けず、その焦りがストレスとなり、特に5月の連休の影響が大きくその連休によって4月から続いた精神緊張状態がいっぺんに緩んでしまい、再び新しい環境に適応する自信を失ってしまう精神不安定状態をいいます。
一般にマジメで几帳面、内向的な人がかかり易く最近では若い人ばかりでなく、40才代男女や定年頃の男性にも多く見られるといわれています。五月病はこの季節に限られたものではなく夢を抱いて新しいことを始めた際には、いつでも起こる可能性のある心のスランプなのです。

○五月病の原因

爽やかな5月になり大学や会社にも慣れてきた頃なのに、入学や 入社という4月からの著しい環境変化がいちどにふりかかり、肉体的にも精神的にもくたびれてきてストレスという形となって体や心の重荷となっていくのが主因。
1.入試・入社といった大きな目標を達成した解放感。
2.大きな目標を達成したことにより次の目標を見失ったり混乱したりする。
3.新しい環境(初めての一人暮らし・時間の使い方の変化・新しい人間関係など)についていけない。
4.想像していた新生活と現実のギャップによる失望。

○主な症状
イ.精神的症状

1.何となく気が滅入って無気力。
2.何をするのも面倒で億劫。
3.興味や関心がわかない。
4.思考力や判断力がもてない。
5.不安や焦りを感じる。

ロ.身体的症状
ストレスや免疫力の低下により、いろいろな病気にかかり易くなる。
1.うつ症状(強い疲労感、朝起きられない)。
2.消化器症状(食欲不振・嘔気・便秘・下痢・腹痛)。
3.自律神経障害症状(不眠・頭痛・めまい・動悸)。

○防ぐには、
1.クヨクヨせずに気持ちを切り替えてリフレッシュ。ストレスを貯めないように気をつけよう。スポーツ・音楽・読書等自分にあったストレス解消法をみつけよう。ただし、ストレス解消といって、過食・過飲酒は逆効果。

2.熱中できる好きなことを見つけることも大切です。新しいものにチャレンジすることで、生活の中に刺激を与え生活の活性化を心がけよう。

3.ストレスが貯まるのを防ぐ食事。
カルシウム(牛乳・チーズ・干しエビ・丸干しいわし)
ビタミンD(魚類サケ・カレイ、きのこ類)
マグネシウム(大豆・干しひじき・納豆)
たんぱく質は控えめに。

○まとめ
この時期は、新しい生活を自分らしく過ごしていく為に自分を見つめ直すよい機会であり心の成長にも大事です。
あまり焦らず考え過ぎない、又、悲観的にならずに、じっくりと自分と対話してみて下さい。
マジメに奮闘してきた結果なのだから。
そうすれば、新しい自分を発見でき、新たな目標にむかって一歩が踏みだせるはずです。

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