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消化器内科

逆流性食道炎

①今、逆流性食道炎という病気が増えています。逆流した胃液が原因で食道に炎症を起こすもので、食道括約筋」という筋肉が胃の入り口を閉じ、逆流を防ぎます。ところが、なんらかの原因により、この筋肉の力が弱くなってしまうと、出入り口が緩んだ状態になり、一度胃に入った食べ物や胃液などが食道に逆流しやすくなってしまうのです。逆流が起こることで、特に問題になるのは、胃液に含まれる強力な酸(胃液)です。食道粘膜は、胃壁とは異なり胃酸を防御できません。そのため、胃酸に触れると強いダメージを受け、炎症を起こしてしまいます。これが逆流性食道炎です。

②主な自覚症状

Ⅰ、胸やけ Ⅱ、胃のもたれ感 Ⅲ、ムカムカ Ⅳ、吐き気 Ⅴ、苦い胃液が口に上がってくる Ⅵ、飲み込むときに痛む  Ⅶ、飲み込みにくい Ⅷ、胸の中央あたりが痛む Ⅸ、のどの違和感や痛み

③逆流性食道炎は、50才代から70才代の人がかかりやすい病気ですが、その背景には高齢化と食生活の変化が挙げられています。男性にも女性にも起こり、太った人や腰の曲がった人に多くみられます。食後、とくに大食をしたあと2時間くらいの間に、むねやけなどの症状があらわれるのが特徴です。食道と胃をつなぐ横隔膜の孔(あな):(食道裂孔)は、高齢化とともに緩んでしまうため、ヘルニアを起こすと、当然、胃液は逆流しやすくなります。すると、高い酸を含んだ胃液が食道を刺激し、強い炎症を引き起こしてしまいます。その上、高脂肪高蛋白食である欧米的な食生活では、胃に食べ物が長くとどまりがちになり、それだけ食道への逆流を起こしやすくしてしまうのです。また、肉の脂肪やチョコレート、カフェインには、胃液の逆流の防御機構である、下部食道括約筋の力を弱めてしまう成分が含まれていることもわかっています。

④逆流性食道炎と診断された場合、治療は薬物療法などの内科的治療が中心になります。胃酸の分泌を抑える薬や粘膜の傷を保護する薬などをきちんと服用することで、症状を抑えることができます。また、薬で症状を抑えるだけでなく、食生活の改善や日常の動作に注意するといった、逆流を予防するための生活指導を守ることも重要です。

⑤日常生活の注意点
逆流性食道炎を改善・予防するには、生活動作や食生活の工夫など、毎日の生活に気をつけることが大切です。大食はさけ、嗜好品はひかえめに:急いで食べると空気も一緒に飲み込んでしまい、胃をふくらませ、そのためにゲップがでる。同じように過食・過飲は胃酸の逆流の原因となります。お酒は噴門をゆるめる。特にビールやシャンパンは、胃のなかで炭酸ガスとなり胃をふくらませる。タバコは唾液分泌も減らす。ひかえめに。脂肪の多い食事は胃にもたれて逆流を起こしやすい。強い香辛料、たまねぎ、かぼちゃ、さつまいも、トマト、柑橘類、チョコレート、ケーキ、甘味和菓子、炭酸飲料、コーヒーなどは胸焼けを起こしやすい。

腹圧を上げないようにする:胃を圧迫する腰の曲がった状態、長時間の前かがみの姿勢をさける。お腹を強くしめつけない。
ベルトや帯、コルセットはゆるめに。肥満や便秘をさける。妊娠中は胃が圧迫されるので、注意が必要。

就寝は頭の高い姿勢で:横になるとむねやけがする場合は、枕や座布団を重ねる。食後すぐ横にならない。就寝直前の食事はさける。

⑥逆流性食道炎が増えつつある日本でも、近い将来には食道の腺がんが急増すると予想されています。腺がんの増加は、食道がん全体の増加につながります。逆流性食道炎の早期発見・治療は、食道がん予防の第一歩。気になる症状がある方は、早めに受診しましょう
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