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循環器内科

リスク高める高血圧

高血圧というのは、単に血圧が高いだけの状態ではない。高血圧患者の半数がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に罹患しているともいわれており、肥満をベースに多少の高血圧でも、心臓病や糖尿病を発症するリスクが何倍も高まることが解ってきた。メタボリックシンドロームの病態が明らかになるにつれ、新しい治療戦略が求められつつある。

高血圧は現在日本で3500万人ともいわれている。つまり3~4人に1人の国民病である。要因は、ライフスタイル・肥満増・運動不足・高齢化などであるが、自覚症状がないため放っておくと脳心腎の合併症を生じるので、サイレントキラー(沈黙の殺し屋)との異名をとる。その高血圧治療の最大の目的は、心血管系の発症とそれによる死亡を抑制することにある。肥満をベースにほんの軽い高血圧でもメタボリックシンドロームに陥る危険があることが解ってきており高血圧の人が「ベルトの穴ひとつ」大きくなっても大変危ないのである。

内臓脂肪が心筋梗塞や脳卒中を起こすメカニズムも最近わかってきた。脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、今やひとつの大きな内分泌臓器ととらえられる。この脂肪組織が肥大化すると、インスリン抵抗性を高めるホルモンや血圧を上昇させる酵素が分泌されその結果、インスリン感受性が低下し、血圧ばかりか、糖や脂質も代謝異常になりメタボリックシンドロームが発症するというのである。

今や高血圧治療は、内臓脂肪・インスリン抵抗性まで深く考慮する時代となってきたのである。高血圧の患者さんにメタボリックシンドロームの肥満が加わると、将来、必ずといっていいほど糖尿病を発症する。高血圧治療中に糖尿病を合併すると、更に心筋梗塞などを起こす確率が約3倍高くなる。まだ発症していない段階で食い止めるのが最も大事であり、その為には一人一人が自分自身の生活習慣を見直してみることが第一歩といえるだろう。まずは食事(減塩)・運動(汗ばむくらいの歩行や30分の早歩きなどの有酸素運動)療法である。体重が10Kg減少すれば収縮期圧が約12mmHg下がるという。「ベルトの穴ひとつ」減らすだけでも、大きな見返りがあるというわけである。  
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